日華事変軍票乙号5円の価値は?
主な種類や特徴を紹介!

日華事変軍票乙号5円は、過去に流通した軍用手票のひとつです。軍用手票とは、戦争の際、自国の軍隊が滞在する外国で使用するために発行されるお金のことです。軍用手票は通称「軍票」とよばれており、歴史的に見ても貴重な存在といえます。

日華事変軍票としては乙号5円以外にも複数の種類があり、なかにはプレミアがついているものもあります。ここでは、日華事変軍票乙号5円について、歴史的背景や価値などの特徴について見てみましょう。

日華事変軍票乙号5円の特徴

日華事変軍票は、日本政府が発行した軍票のひとつです。1937年に日中戦争が始まり、日本軍が占領した地域で使用する目的で日華事変軍票が発行されました。主に、物資の調達や現地での支払いのために使われていたとされています。「日華事変」とは日中戦争の別名です。日華事変軍票としては複数の額面が存在し、乙号5円もそのひとつとなっています。 正確に言うと、日華事変軍票は貨幣ではなく、疑似紙幣の扱いです。疑似紙幣は、いまでいう「手形」のような意味合いをもつものとされています。また、日華事変軍票乙号5円は、日本銀行兌換券の兌換文言が赤で訂正されています。なお、日華事変軍票乙号5円の大きさは、縦76mm、横132mmです。

日華事変軍票乙号5円の概要

ここからは、日華事変軍票乙号5円の歴史的背景や価値について紹介します。

日華事変軍票発行時の時代背景

昭和6年(1931年)に発生した満州事変を契機として、日本軍は中国への侵略を進めていきました。治安維持を掲げながら勢力を拡大するなか、昭和12年(1937年)7月に日中戦争が始まります。

日華事変軍票は、日中戦争の勃発に伴って発行されました。そのため、日中戦争が始まった年号をとり、正式名称は「昭和12年軍用手票」とされています。昭和12年から発行された日華事変軍票は、日中戦争が終結する昭和20年までのおよそ8年の間、発行され続けました。日華事変軍票としてはさまざまな種類があり、甲号、乙号、丙号、丁号、戊号、ろ号などがあります。他にも、軍用證券や丙号異式軍票といったものが日華事変軍票の一種として存在していました。日華事変軍票は比較的長い期間発行・流通していたこともあり、基本的には現存している数も多いです。

日華事変軍票の種類

日華事変軍票としては、甲号、乙号、丙号、丁号、戊号、ろ号などの券種が発行されました。すべての券種と額面を合わせると、日華事変軍票は35種類にもなります。そのため、一口に日華事変軍票といっても、特徴はそれぞれによって異なります。

日華事変軍票の甲号は、明治通宝のデザインを用いた縦型の軍表です。乙号は、日本銀行兌換券の文字を赤で消し、代わりに「軍用手票」の文字を追加しています。丙号は、「日本銀行」の表記がない紙幣に、「大日本帝国政府軍用手票」という文字を印刷したものです。丁号は、鳳凰や龍などのデザインが施されているのが特徴となっています。さらに、戊号は、丁号券についている表記を「大日本帝国政府」に変更したものです。ろ号は、戊号のうち、記号が「ろ」で始まっているもの表します。

なお、日華事変軍票乙号としては、1円、5円、10円、100円の4種類があります。

日華事変軍票価値は?

日華事変軍票は貨幣ではなく、戦争の最中に一時的に発行された疑似紙幣です。そのため、利用できるのは戦争で出向いていた地域だけであり、貨幣としての価値はありません。基本的に軍や国によって換金できる仕組みになってはいますが、戦争で負けてしまった場合、換金できないこともあります。

とはいえ、日華事変軍票は他の古銭と同様に人気があり、コレクターも多く存在しています。歴史的にも価値があるので、美品ほど高値で売れやすいです。数ある日華事変軍票の中には現存数が少ないものもあり、買取を希望すれば高値がつく場合もあります。

ただし、日華事変軍票乙号5円のように多く流通していたものは、それほどの高値は期待できません。状態や額面によっても買取価格は変化するので、まずは信頼できる専門家の鑑定を受けて実際の価値を確認しましょう。