アメリカ金貨の価値は?
主な種類や特徴を紹介!
アメリカ金貨とは、アメリカ合衆国で鋳造されて流通した貨幣のことです。現在のアメリカ合衆国では、流通用の金貨は発行されていませんが、従来は1ドル金貨、2.5ドル金貨、4ドル金貨、5ドル金貨、10ドル金貨、20ドル金貨が流通していました。
そんなアメリカ金貨は、貨幣としての価値だけでなく素材である金自体の価値が認められているため、一般的に鑑定価値が高い傾向にあります。この記事では、アメリカ金貨の種類や特徴など、鑑定相場を知るために役立つ情報をまとめました。
鑑定相場を把握することにより高値で売れる機会が増えるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
アメリカ金貨の概要
イギリスの植民地だったアメリカ合衆国が1776年に独立宣言を発表したのち、1792年に貨幣法が新しく制定されました。翌年には、この法に基づいてアメリカ合衆国のペンシルベニア州南東部に位置するフィラデルフィアの造幣局にて銅貨の鋳造を開始。 1794年には、1/2ドル銀貨と1ドル銀貨、1795年からは5ドル金貨と10ドル金貨が続々と発行されています。アメリカ金貨の特徴としては、北米に生息する白頭鷲(ハクトウワシ)が描かれていることです。 白頭鷲は、壮大で勇ましい姿からアメリカの象徴として重宝されている国鳥になります。表面に自由の女神、裏面に白頭鷲が刻まれた10ドル金貨は、そのデザインからワシの意味を持つ「イーグル金貨」と呼ばれています。 アメリカ金貨の種類はさまざまですが、日本の買取市場においてはイーグル金貨」とバッファロー金貨が主に出回っているのが特徴です。
アメリカ金貨の主な種類と特徴
ここからは、アメリカ金貨について代表的な種類やそれぞれの特徴を紹介していきます。金貨の種類や発行時期、保存状態によって鑑定価格も大きく異なるので注意しましょう。
インディアン金貨
1901年に発行されたインディアン金貨。額面は10ドル、5ドル、2.5ドルの3種類あり、デザインが少しずつ異なるのが大きな特徴です。
5ドルと2.5ドルの表面には男性、10ドルの表面には若い女性の姿が刻印され、それぞれインディアンの羽を頭に付けて描かれています。10ドル金貨だけ女性が描かれているのは、自由の女神がデザインのモチーフになっているからです。
また、3つの金貨の裏面には国鳥であるイーグルが刻まれ、呼び名はそれぞれ10ドルが「イーグル」、5ドルが「ハーフイーグル」2.5ドルが「クォーターイーグル」と名付けられています。
素材は金で、品位は金900、銅100と21.6金に相当し、重量はそれぞれ約16グラム、8グラム、4グラムになります。インディアン金貨は、1930年頃まで長期間で発行されていたため、鑑定価格は発行年数やコインを鋳造した場所を特定できるミントマークの有無によって大きく異なります。
イーグル金貨
アメリカ合衆国において、1986年から発行されている地金型金貨を総称するイーグル金貨。地金型金貨とは、主に投資用として鋳造された金貨を指します。
イーグル金貨は金相場に連動した市場価格で販売できることが目的であり、流通用として作られた金貨ではありません。種類は4つで、それぞれの重さは、約30グラム、16グラム、8グラム、3グラム、品位は金916、銅84で22金に相当します。
アメリカ造幣局で発行されたイーグル金貨は、表面に自由の女神、裏面には国鳥であるイーグルの一家が描かれています。裏面に刻まれているイーグルの一家は、巣にオリーブの枝を持ち帰るオスのワシと、出迎えるメスのワシと子供のワシの様子が描かれており、全体的に躍動感あるデザインに仕上げられています。
イーグル金貨は高値で買取りされないのが一般的ですが、イーグル金貨の鑑定相場は個人で見極めるのが困難であるためプロの鑑定士に判断を仰ぐのが一番です。
バッファロー金貨
2006年から発行されているバッファロー金貨は、アメリカ金貨の中でも比較的新しい地金型金貨になります。純金で品位も金999と24金相当に値することから、高値で取引きされることも珍しくありません。
種類は4つで、それぞれの重量は約30グラム、16グラム、8グラム、3グラムです。現在のアメリカにおいては、約30グラムの金貨のみ発行されています。バッファロー金貨の名称の由来でもあるバッファローが裏面に刻まれ、表面には男性のインディアンが描かれています。
バッファローは、ワシと並ぶアメリカの歴史を象徴する動物と知られており、勇気や力強さ、感謝や豊かさのシンボルとして崇められてきました。
発行開始日の2006年からデザインの変更は一切なく、2008年の1年間のみ発行されたコレクション専用のプルーフ金貨も存在します。プルーフ金貨には、表面に描かれているインディアンの首元に小さく「W」と記されているのが大きな特徴です。
セントゴーデンズ金貨
1907年~1933年にかけて発行されたセントゴーデンズ金貨。名称は、デザインに彫刻家のオーガスタス・セントゴーデンスが監修したことが由来です。金貨の表面には自由の女神の正面姿が描かれ、裏面には大空を優雅に舞うアメリカ合衆国の国鳥・白頭鷲が刻印されています。
また、「我々は神を信じる」という意味を持つ標語「In God We Trust」が刻まれているのも大きな特徴です。別名ダブル・イーグル金貨と呼ばれるセントゴーデンズ金貨は、他のアメリカ金貨に比べて希少価値が高い金貨といわれています。
その主な理由には、1933年に当時の大統領により発令された市民の金保有禁止で、アメリカ国内の金貨が没収されたため現存するセントゴーデンズ金貨の数が異様に少ないことが挙げられます。
さらに、セントゴーデンズ金貨は、発行期間が短いことも希少価値が高くなる要因だといえるでしょう。素材は金純度90%で、重量は約33gになります。
コロネットヘッド金貨
1849~1907年にかけて発行されたコロネットヘッド金貨。額面は2.5ドル、5ドル、10ドル、20ドルの4種類で、金純度が90.0%以上のK21.6に相当します。
コロネットヘッド金貨のデザインは、表面が自由の女神、裏面は2.5ドル、5ドル、10ドルが1羽の白頭鷲が描かれ、20ドルには2羽の白頭鷲が刻まれています。それぞれの金貨には別名があり、2.5ドルはクォーターイーグル金貨、5ドルはハーフイーグル金貨、10ドルはイーグル金貨、20ドル金貨はダブルイーグル金貨と呼ばれています。
発行時期によってデザインや刻印される文言が異なるので、それぞれ希少価値が違うのもコロネットヘッド金貨の大きな特徴です。鑑定価格は高くなる傾向がありますが正しく判断するのが難しいため、プロの鑑定士に価値を判定してもらうのが望ましいでしょう。