オリンピック記念貨幣の価値は?
主な種類や特徴を紹介!
オリンピック記念貨幣の主な種類として「東京オリンピック記念貨幣」「札幌オリンピック記念貨幣」「長野オリンピック記念貨幣」などが挙げられます。2020年に東京オリンピックが開催されることが決まって以来、オリンピックに関連する記念貨幣に興味を持つ人が増えているようです。そこで、日本で発行された主なオリンピック記念貨幣の3種類の特徴を紹介します。
オリンピック記念貨幣の概要
日本で初めてのオリンピック記念硬貨は、1964年開催された東京オリンピックの記念貨幣です。1000円銀貨と100円銀貨の2種類があり、1964年の当時も人気を博しました。また、のちに発行された記念貨幣には、1972年の「札幌オリンピック記念貨幣」や1997年の「長野オリンピック記念貨幣」などがあります。 オリンピック記念貨幣は、現存数が多くて集めやすいため、記念貨幣のコレクションとしても始めやすいでしょう。 また、2020年の東京オリンピックに話題が集まっているため、買取を希望しているなら、高く買い取ってもらえるチャンスかもしれません。
オリンピック記念貨幣の種類と特徴
日本で発行されたオリンピック記念貨幣は、「東京オリンピック記念貨幣」「札幌オリンピック記念貨幣」「長野オリンピック記念貨幣」の3種類です。ここでは、それぞれの特徴について説明します。
東京オリンピック記念貨幣
東京オリンピック記念貨幣は、1964年のオリンピック開催を記念した硬貨です。100円銀貨と1000円銀貨の2種類あり、プルーフ硬貨や貨幣セットなどは存在しません。2種類それぞれの特徴について説明します。
100円銀貨
東京オリンピック記念貨幣の100円銀貨は、1964年(昭和39年)に発行されました。発行枚数は8000万枚であり、一般的な記念貨幣に比べても多い数が発行されています。そのため、東京オリンピック記念貨幣の100円銀貨は、現在でも多くが残っています。100円銀貨には銀が60%、銅が30%、亜鉛が10%の割合で含まれており、重さは4.8gです。発行された当時は額面と等価で販売されていました。
東京オリンピック記念貨幣の直径は22.6mmです。表面には聖火台が描かれ、その上に五輪マークが施されています。また、裏面には太陽のイメージが用いられ、算用数字で100と記されています。
東京オリンピック記念貨幣は、日本で発行された初めてのオリンピック記念貨幣です。当時の日本にとって、東京オリンピックの開催は国家をあげた重大なプロジェクトでした。よって、東京オリンピック記念貨幣も、歴史的な価値を秘めているといえます。
1000円銀貨
東京オリンピック記念貨幣の1000円銀貨は、100円銀貨と同じく1964年(昭和39年)に発行されています。1000円銀貨の発行枚数は、100円銀貨よりも少ない1500万枚です。
東京オリンピック記念貨幣の1000円銀貨には銀が92.5%、銅が7.5%含まれており、20gの重さがあります。直径は35mmで、表面には日本を代表する山の富士山、裏面には桜と五輪マークのモチーフに加えて算用数字の1000が刻印されています。発行当時は、額面価格で販売されました。
なお、東京オリンピック記念貨幣として1000円銀貨を発行するために、わざわざ特別立法までおこなわれています。なぜなら、当時、貨幣として有効だったのは、1円、5円、10円、50円、100円の5種類のみだったからです。
以前に比べると、東京オリンピック記念貨幣の1000円銀貨の取引価格は落ち着いています。
札幌オリンピック記念貨幣
札幌オリンピック記念貨幣は、札幌オリンピックの開催を記念して1972年(昭和47年)1月28日に発行されました。札幌オリンピック記念貨幣の額面は100円であり、現在でも100円硬貨として使用できます。発行枚数は3000万枚です。 札幌オリンピック記念貨幣には銅が75%、ニッケルが25%の割合で含まれています。重さは12g、直径は30mmです。硬貨の表面には聖火台、裏面には五輪マークと初雪の雪紋が描かれています。冬のオリンピックならではの図柄であるといえるでしょう。なお、戦後から現代までに発行された硬貨については、年銘が記されている面が裏面とされています。そのため、五輪マークと初雪の雪紋が描かれている裏面の下部に、「昭和47年」と記されています。 札幌オリンピック記念貨幣の場合、状態がよいものや未使用品の場合、額面以上の金額がつく可能性もあるでしょう。
長野オリンピック記念貨幣
長野オリンピックは、1998年(平成10年)に長野県長野市などで開催された冬季オリンピックです。長野オリンピック記念貨幣の種類は、第1次から第3次に分かれています。ここでは、それぞれについて詳しく紹介します。
第1次
長野オリンピック記念貨幣の第1次には、「スキージャンプ」「アイスホッケー」「スノーボード」の3種類があります。額面や材質はそれぞれ異なります。
表面にスキージャンプの絵柄は、1万円金貨です。5万5000枚が発行され、当時は3万8000円で販売されました。1万円金貨は純金(K24)でできており、重さは15.6g、直径は26mmです。裏面には、長野県の県花である「りんどう」の絵が表現されています。
さらに、アイスホッケーの絵柄を描写しているのは、5000円銀貨です。5000円銀貨には銀が92.5%、銅が7.5%含まれており、重さは15gです。当時は500万枚が発行され、額面通りの金額で販売されました。5000円銀貨の直径は30mmで、裏面には長野県の県獣の「かもしか」の絵柄がついています。
スノーボードの絵柄は、500円白銅貨で、2000万枚発行されました。素材には銅が75%、ニッケルが25%含まれており、重さは7.2gです。直径は26.5mmとなっており、裏面には長野県の県鳥に認定されている「ライチョウ」の絵柄が施されています。
第2次
長野オリンピック記念貨幣の第2次としては、「フィギュアスケート」「バイアスロン」「ボブスレー」の3種類が発行されています。
フィギュアスケートの絵柄が描かれているのは1万円金貨であり、純金(K24)で作られています。重さは15.6g、直径は26mmです。額面は1万円ですが、発行された当時は3万8737円で販売されました。1万円金貨の発行枚数は5万5000枚です。第1次で発行されたスキージャンプの絵柄の1万円金貨と同じく、裏面には長野県の県花である「りんどう」が施されています。
バイアスロンの絵柄が描かれているのは5000円銀貨です。銀を92.5%、銅を7.5%含んでおり、15gの重さがあります。500万枚が発行され、等価で販売されました。直径は30mmで、裏面には「かもしか」がデザインされています。裏面の絵柄は第1次で発行されたアイスホッケーの5000円銀貨と同じです。
ボブスレーの絵柄が描かれているのは500円白銅貨です。発行枚数は2000万枚であり、当時は額面通りの金額で販売されました。素材には銅が75%、ニッケルが25%含まれており、重さは7.2g、直径は26.5mmです。第1次で発行されたスノーボードの絵柄の500円白銅貨と同様に、裏面には「ライチョウ」が描かれています。
第3次
長野オリンピック記念貨幣の第3次には、「スピードスケート」「アルペンスキー」「フリースタイルスキー」の3種類があります。
表面にスピードスケートの絵柄がついているのは1万円金貨です。裏面には、他の1万円金貨と同じく長野県の県花である「りんどう」が描かれています。純金(K24)でできており、発行当時は3万8737円で販売されました。なお、発行された枚数は5万5000枚です。重さは15.6gで、直径の大きさは26mmとなっています。
さらに、アルペンスキーの絵柄がついているのは5000円銀貨です。他の5000円銀貨と同様、裏面には長野県の県獣の「かもしか」が施されています。素材は銀が92.5%、銅が7.5%です。重さは15g、直径30mmのサイズとなっています。500万枚が発行され、額面通りの価格で販売されました。
そして、フリースタイルスキーの絵柄がついているのは500円白銅貨です。他の500円銀貨の絵柄と同じく、裏面には長野県の県鳥である「ライチョウ」がデザインされています。2000万枚が発行され、当時は額面と等価で販売されました。素材としては銅が75%、ニッケルが25%含まれており、重さは7.2g、直径は26.5mmです。
長野オリンピック冬季競技大会記念硬貨プルーフセット
長野オリンピック記念貨幣は、プルーフセットもあります。長野オリンピック記念貨幣の発行に合わせ、1998年(平成10年)に販売されました。プルーフセットの種類は、3点セット、2点セットの2種類です。
また、3点セットは3万3000部の発行です。3点セットの内容は、1万円金貨、5000円銀貨、500円白銅貨がそれぞれ1枚ずつの計3枚セットとなっています。表面には、プルーフ加工が施され、デザインが美しいことが特徴です。
長野オリンピック記念貨幣の3点セットは、第1次から第3次までのそれぞれについて発行されています。また、長野オリンピック記念貨幣の3点セットは、4万8000円で販売されていました。
一方、プルーフセットの2点セットの発行数は、10万部です。5000円銀貨、500円白銅貨が1枚ずつ含まれ、計2枚のセットとなっています。3点セット同様、表面はプルーフ加工です。2点セットの発行も、第1次から第3次まであります。また、2点セットは、1万5000円で販売されていました。