復帰記念硬貨の価値は?
主な種類や特徴を紹介!
記念硬貨にはさまざまな種類のものがありますが、その一つが復帰記念硬貨です。復帰記念硬貨とは何かを理解するには、その土台となる「本土復帰」について知っておく必要があります。第二次世界大戦で日本が降伏した直後に、ある地域は日本政府から連合国軍へ移されました。記念硬貨は、こうした地域が日本に返還された、つまり「本土復帰」したことを記念するために作られました。この記事では、主な復帰記念硬貨について紹介するので、どんなものがあるのかチェックしてみましょう。
復帰記念硬貨の概要
まず、復帰記念硬貨の中でも記念硬貨として人気が高いものを挙げてみましょう。人気が高いものには、「沖縄復帰20周年記念硬貨」や「奄美群島復帰50周年記念貨幣」、「小笠原諸島復帰50周年記念銀貨幣」などがあります。沖縄県・奄美群島・小笠原諸島はいずれも、サンフランシスコ講和条約発効後に日本に復帰しました。 「沖縄復帰20周年記念硬貨」は、アメリカから返還されてから沖縄の施政権が20年経つことを記念して発行された記念硬貨です。別名として、「沖縄復帰記念500円白銅貨」とも呼ばれています。 「奄美群島復帰50周年記念硬貨」は、奄美大島が本土復帰してから50年を迎えること記念して発行されました。この記念硬貨は、額面が1000円の純銀貨の1種類のみです。 「小笠原諸島復帰50周年記念銀貨幣」は、米軍の統治下から小笠原諸島が復帰して50年が経つのを記念して発行された記念貨幣となっています。
復帰記念硬貨の種類と特徴
この段落では、復帰記念硬貨として、「沖縄復帰20周年記念硬貨」「「奄美群島復帰50周年記念貨幣」「小笠原諸島復帰50周年記念銀貨幣」などを取り上げます。それぞれの種類や特徴について紹介するので、一つ一つ見てみましょう。
沖縄復帰20周年記念500円硬貨
「沖縄復帰20周年記念500円硬貨」は、1992年(平成4年)に発行されました。発行枚数は2000万枚と、とても多いのが特徴です。量目は13gでサイズは直径30mm、素材の品位は銅が75%、ニッケルが25%となっています。通常の500円硬貨と比べると、この記念硬貨のほうがやや大きいサイズです。当時の販売価格は、額面と等価の500円で両替されていました。
硬貨の表面には、沖縄の観光地である「首里城正殿」が描写されています。裏面には「昇竜」と呼ばれる、竜が空に昇っていく様子が周囲に描かれており、中央には「沖縄復帰二十年」と額面が記載された図柄です。「沖縄復帰二十年」と書かれているほうが表面のようにも見えますが、実際には裏面なので間違えないようにしましょう。
沖縄復帰20周年記念500円プルーフ硬貨
「沖縄復帰20周年記念500円プルーフ硬貨」は、前述の「沖縄復帰20周年記念硬貨」にプルーフ加工を施したものです。プルーフ加工が施されることによって表面が鏡のようになり、とても美しい見栄えになっています。発行年度は、「沖縄復帰20周年記念硬貨」と同じ1992年(平成4年)です。素材の品位は銅が75%でニッケルが25%、サイズも直径30mmで、通常の記念貨幣と特に変わりありません。
しかし、大きく異なるのは当時の販売価格です。プルーフ加工を施した記念硬貨は、2500円で販売されました。美しい貨幣でコレクター要素が強く、発行部数も4万7000部ととても少なくなっています。沖縄復帰20周年記念500円プルーフ硬貨が1枚に、特製ケースがついたセットとして販売されました。
「沖縄復帰20周年記念500円プルーフ硬貨」はきちんと特製ケースに入れられているため、硬貨の状態が悪くなる可能性は低くなっています。また、発行枚数も少ないため、単体の記念硬貨と比べて高い買取価格がつく傾向にあります。
沖縄復帰20周年記念硬貨ミントセット
「沖縄復帰20周年記念硬貨ミントセット」も、発行年度はこれまで紹介した復帰記念硬貨と同じく、1992年(平成4年)です。こちらは、記念硬貨と通常の硬貨を組み合わせたセットになっています。具体的なセット内容は、「沖縄復帰20周年記念硬貨」が1枚、通常硬貨がそれぞれ1枚ずつ、干支図案年銘板が1枚です。通常硬貨は、現行の500円硬貨・100円硬貨・50円硬貨・10円硬貨・5円硬貨・1円硬貨が各1枚ずつ入っています。通常貨幣はすべて、平成4年銘になっています。記念硬貨と通常硬貨、干支図案年銘板を合わると全部で8枚となる、とても豪華なセットです。
「沖縄復帰20周年記念硬貨ミントセット」の発行部数は70万部です。当時の販売価格は、額面と等価での両替でした。このセットに組み込まれている「沖縄復帰20周年記念硬貨」には、プルーフ加工は施されていません。
奄美群島復帰50周年記念プルーフ貨幣
「奄美群島復帰50周年記念貨幣プルーフ貨幣」は、2003年(平成15年)に発行されました。発行枚数は5万枚と、それほど多くありません。量目は31.1gで、サイズは直径40mmとやや大きいのが特徴です。素材は純銀(銀100%)でできており、当時は額面と等価での両替というかたちで販売されました。
この貨幣の表面はカラー印刷で、奄美群島を代表するものとしてルリカケスとテッポウユリが描かれています。ルリカケスという鳥は、紫やオレンジ、黄緑色などが美しい奄美群島の固有種です。テッポウユリも美しい白いユリの花で、奄美群島に自生しています。裏面には奄美群島の地図がモノトーンで描かれています。
「奄美群島復帰50周年記念貨幣プルーフ貨幣」は、日本で発行された2番目のカラーコインです。カラフルなルリカケスが、カラー印刷により生き生きと再現されています。側面には斜めギザが入っています。
小笠原諸島復帰50周年記念千円銀貨幣プルーフ貨幣
「小笠原諸島復帰50周年記念千円銀貨幣プルーフ貨幣」は、平成30年6月(2018年)に5万枚が発行されました。素材は純銀で、量目は31.1g、直径は40mmです。当時の販売価格は9000円でした。
表面には、小笠原諸島の象徴ともいえる南島扇池と、固有種のハハジマメグロ、ムニンヒメツバキが描かれています。黄色や青、白、緑などが使われたカラー印刷です。裏面にはザトウクジラやミナミハンドウイルカ、アオウミガメのデザインです。側面には斜めギザが入っています。
「小笠原諸島復帰50周年記念千円銀貨幣プルーフ貨幣」は素材に貴金属が使用し、特殊な技術を用いて製造されました。貨幣の製造などにかかる費用が額面価格を上回る、プレミアム型の記念貨幣となっています。