その他の金貨の種類や特徴を一挙紹介!おすすめの買取店情報はコチラ

その他の国の金貨の価値は?
主な種類や特徴を紹介!

古銭として取引されている金貨としては、アメリカ金貨やカナダ金貨などが代表的です。ただし、それ以外にも有名な金貨は数多く存在します。たとえば、オーストリアのウィーン金貨、南アフリカのクルーガーランド金貨、オーストラリアのカンガルー金貨やコアラ金貨、イギリスのブリタニア金貨などが有名です。ここでは、アメリカ金貨とカナダ金貨以外の有名な金貨について紹介します。金貨の売買に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

その他の金貨の概要

海外には、さまざまな種類の金貨があります。各国の造幣局が発行しているものだけでなく、なかには国家をあげて取り組む一大イベントの開催に合わせて発行されたものも存在します。 コレクターの間では、各国の造幣局が発行した地金型金貨の人気が高いです。地金型金貨とは、含まれる金の純分に応じて価値が上乗せされる投資用の金貨のひとつを意味しています。地金型金貨の場合、硬貨に記載されている額面以上で取引される場合が多いです。 また、海外の金貨のうち、毎年異なるデザインで発行されているものに注目しているコレクターもいます。バリエーションが豊富な金貨を集めているコレクターは「全種類を集めたい」と考えるため、自分がもっていない金貨を古銭市場で探しています。

その他の金貨の種類と特徴

アメリカ金貨やカナダ金貨以外の金貨には、どのような種類や特徴があるのでしょうか。ここでは、それぞれについて詳しく説明します。

ソブリン金貨(イギリス)

イギリスの法定貨幣である「ソブリン金貨」は、15世紀後期に初めて作られました。ただし、基本的に古銭市場で取引されているのは、19世紀前期の金本位制の施行後に発行されたソブリン金貨です。金本位制の施行後に発行されたソブリン金貨に該当するのは、1817年から現在までに発行されたものです。

ソブリン金貨は発行された年代によってデザインが変化しており、発行された年代によって価値も大きく異なっています。

1817~1820年に発行されたソブリン金貨には、表面に月桂冠を戴くジョージ3世の肖像が描かれました。 裏面は、セントジョージが竜を退治する姿がデザインされています。この裏面のデザインは、その後もソブリン金貨の代表的なモチーフとして使われています。

1820~1825年になると、表面に月桂冠を戴くジョージ4世の肖像が施されたソブリン金貨が発行されました。1817~1820年のソブリン金貨と同じく、裏面にはセントジョージと竜が描かれています。その後、1825~1830年には、表面に月桂冠をつけていないジョージ4世の肖像、裏面に紋章を施した盾の図柄が描かれたソブリン金貨が発行されました。1831~1837年には、表面にウィリアム4世の肖像、裏面に紋章を施した盾の図柄が描かれた金貨が発行されています。

さらに、1838年以降には、表面にヴィクトリア女王の肖像が描かれたさまざまな種類のソブリン金貨が発行されました。1838~1874年の金貨は、表面がヤングヘッド、裏面が紋章を施した盾の図柄となっています。1871~1885年の金貨は、表面がヤングヘッド、裏面がセントジョージと竜の姿です。これ以降に発行されたソブリン金貨の裏面は、すべてセントジョージと竜の図柄となっています。1887~1892年に発行された金貨の表面はヴィクトリア女王のジュビリーヘッド、1893~1901年の金貨の表面はオールドヘッドです。

また、1902~1910年には表面にエドワード7世の肖像、1911~1925年には表面にジョージ5世の肖像、1937年には表面にジョージ6世の肖像が描かれたソブリン金貨が発行されています。ただし、ジョージ6世の肖像が描かれた金貨は、プルーフ貨のみの発行です。これらの金貨の肖像には、いずれも月桂冠は描かれていません。

その後、1957年以降には、エリザベス2世の肖像を描いたソブリン金貨が複数枚発行されました。1957~1968年には、表面に月桂冠を戴くエリザベス2世の肖像が描かれた金貨が発行されています。さらに、1974~1984年には、ティアラを戴くエリザベス2世の姿を描いた金貨が発行されました。そして、1985~1988年になると、表面に王冠を戴くエリザベス2世の肖像が描かれた金貨が発行されています。1989年には、昔のソブリン金貨の図案を復刻し、玉座と女王の姿を描いた金貨も発行されています。ただし、こちらはプルーフ貨のみの発行です。

なお、1957~1988年にイギリス政府によって発行された5ポンド金貨は、純度91.7%以上の品位K22の純金です。重量は39.9g、直径は36.2mmとなっています。表面の絵柄はエリザベス2世が基本となっていますが、年代によっても異なります。裏面の絵柄は、セントジョージと竜の姿です。

ヴィクトリア・ジュビリー(イギリス)

ヴィクトリア・ジュビリーは、1887年にイギリスで発行された金貨です。ヴィクトリア女王の在位50年を記念して作られました。複数の額面が存在しますが、5ポンド金貨の人気が特に高いです。

5ポンド金貨は、全部で5万4641枚が発行されています。ただし、記念硬貨としてのヴィクトリア・ジュビリーは、プルーフセットとして販売された797枚しか存在しません。そのため、希少価値が高く、コレクターからの人気を集める理由となっています。高値での買取を期待できますが、実際の価格は状態によっても変化します。そのため、手元にヴィクトリア・ジュビリーがあるなら、専門家に鑑定を依頼してみたほうがいいでしょう。

ヴィクトリア・ジュビリーの金の品位は91.7%となっており、直径は36mm、重量は39.94gです。表面にヴィクトリア女王の肖像が描かれ、裏面にはセントジョージと竜がデザインされています。

ブリタニア金貨(イギリス)

ブリタニア金貨は、投資を目的として売買されることが多いイギリスの地金型金貨のひとつです。金に対する投資の需要が高まったことにより、1987年から発行が始まりました。発行される年によって品位は異なり、22~24K程度となっています。基本的に政府が品位を保証しているため、安定的な投資対象として人気が高いです。

なお、品位だけでなく、サイズも発行される年によってさまざまです。たとえば、100ポンドであれば、直径32.7mm、重量33.9gとなっています。図柄も年によって変化しますが、基本のデザインは表裏ともにほとんど変わりません。具体的には、表面にエリザベス2世の肖像、裏面にはイギリスを象徴する存在であるブリタニア女神が描かれています。ブリタニア女神の姿は、図柄を立体的に見せる「レリーフ」とよばれる手法によって描かれています。

ウィーン金貨(オーストリア)

ウィーン金貨は、オーストリア造幣局が1989年から発行している地金型金貨です。オーストリア造幣局は800年以上の歴史を有しており、職人の技によって完成度の高い貨幣が作られています。ウィーン金貨は、デザインにウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のモチーフが採用されているのが大きな特徴です。具体的には、表面にパイプオルガン、裏面にバイオリンやビオラなどをはじめとする複数の管弦楽器がレリーフで施されています。

純度99.99パーセント以上の純金で作られており、種類は1、1/2、1/4、1/10、1/25トロイオンスの5つです。重量を1オンスから順に示すと、31.1035g、15.5517g、7.7758g、3.1103g、1.24gとなります。また、同様に、直径は37mm、28mm、22mm、16mm、13mmです。厚さは、2mm、1.6mm、1.2mm、1.2mm、0.92mmとなっています。

ウィーン金貨は、特に欧米において投資目的で購入されることが多いです。また、繊細な美しいデザインに対する評価が高いため、コレクションとして購入する人も少なくありません。ときには贈り物として選ばれることもあります。

クルーガーランド金貨(南アフリカ)

クルーガーランド金貨は、南アフリカ共和国造幣局が発行している地金型金貨です。金貨のデザインは、 1892~1900年に発行された1ポンド金貨がもとになっています。そのため、表面にはトランスヴァール共和国の元大統領であるポール・クリューガーの肖像、裏面にはウシ科の動物であるスプリングボックが描かれています。トランスヴァール共和国は、現在の南アフリカがある場所に20世紀初頭まで存在していた国です。ポール・クリューガーは、トランスヴァール共和国が独立国家となって初めての大統領でした。また、スプリングボックは、南アフリカをはじめとするサバンナや砂漠に生息しています。ただし、乱獲によって現在では生息数が減っており、希少動物とされています。

クルーガーランド金貨の品位はK22であり、金は916、銅は84相当です。種類は、1、1/2、1/4、1/10オンスの4種類があります。1オンスから順に、重量は33.9g、16.9g、8.4g、3.3gとなっています。また、同様に、直径は32.7mm、27.0mm、22.0mm、16.5mmです。

クルーガーランド金貨は、初めて発行された地金型金貨でもあります。クルーガーランド金貨が世界中で人気となったことから、各国で地金型金貨が発行されるようになりました。

カンガルー金貨(オーストラリア)

カンガルー金貨は、西オーストラリア州政府が運営しているパース造幣局により、1986年から発行されています。表面にはイギリスの女王・エリザベス2世の肖像、裏面にはカンガルーの絵が描かれています。カンガルーのデザインは毎年新しいものに変更されるため、発行年ごとにコレクションしている人も少なくありません。このことから、カンガルー金貨は一定の人気を維持しています。

カンガルー金貨の種類としては、1、1/2、1/4、1/10オンスの4つがあります。1オンスから順に、額面は100ドル、50ドル、25ドル、15ドルです。また、重量は31.1g、15.5g、7.7g、3.1gとなっています。直径については32.0mm、25.1mm、20.1mm、16.1 mmです。

カンガルー金貨は日本においても知名度が高く、コレクションしている人も多いです。また、カンガルー金貨は、ウィーン金貨やメイプルリーフ金貨とともに「世界三大金貨」として数えられています。政府によって品位が保証されており、海外にもコレクターが多いことから買取価格も安定しています。正しく価値を把握するためにも、買取を希望するときは頼れる専門家に鑑定を依頼しましょう。