20円札の価値は?
主な種類や特徴を紹介!
現在は流通している紙幣ではないため、20円札に馴染みがないと感じる人も多いでしょう。20円札は明治時代に作られた1種と、大正時代の1種、さらに昭和に入って発行された1種の計3種類しか発行されていない紙幣です。
よって、いくつもの種類を持つほかの紙幣に比べると、発行された枚数が非常に少ないといえるでしょう。そのため、希少価値が高く、買取では高く評価されている紙幣です。そんな3種類の20円札について、それぞれの種類や特徴、価値などを詳しく紹介します。
20円札とは?極めて鑑定価値の高い種類もある
20円札は主に3種類があり、明治6年に発行されたのが旧国立銀行券20円札です。国立銀行券20円札は極めて希少性が高いため、コレクターからの人気が集中しています。 大正時代に入ると、横書き20円札が発行されました。さらに、昭和にはタテ書き20円札が作られ、それぞれの時代を映し出しているのです。これらの3枚は発行された時代だけでなくデザインも大きく異なります。しかしながら、どの20円札も非常に高い価値をもつのが特徴です。 昭和に入って発行されたタテ書き20円札と呼ばれる菅原道真20円札は、近代に発行されていることからこのなかでは希少性は高くありません。それでも、それなりの買取価格は期待できるのです。それぞれについては、この後の段落で詳しく説明していきましょう。
20円札の種類と特徴
20円札は時代ごとに作られた3種類があります。どの紙幣も買取では高く評価されていますが、それぞれの特徴について知ると、さらなる高額査定が狙えます。前述通り、ここからは、それぞれの20円札についての特徴を紹介します。
国立銀行紙幣
1873年(明治6年)に兌換紙幣として発行されたのが国立銀行紙幣です。縦80mm横190mmという大きさの国立銀行紙幣は、アメリカで製造された日本の紙幣として知られています。アメリカでの製造は、当時の日本には近代的な紙幣製造技術がなかったことが理由です。
鋼版を使った凹版印刷による細密画線や重厚な彩紋模様、裏面が緑色であることなど、同年代にアメリカの紙幣と同様に作られました。表面には素戔嗚尊(すさのおのみこと)と八岐大蛇(やまたのおろち)が描かれ、裏面には大国主命(おおくにぬしのみこと)の「国譲り」の場面が配されているのも特徴でしょう。
国立銀行券は1899年(明治32年)までの26年間にわたり使われてきた紙幣です。しかし、高額な貨幣であることから流通量が少なく、現在では幻の古銭とも呼ばれています。買取では、驚くほどの価格が期待できる古銭です。
乙号券
昭和に入ってから発行された20円札は乙号券です。1931年(昭和6年)7月21日に発行が開始され、1946年(昭和21年)3月2日まで使われた乙号券は、日本銀行券で最後の20円札としても知られています。
日本銀行兌換券として発行された乙号券でしたが、昭和の金融恐慌などにより兌換制度が廃止となったのです。それにより、乙号券をもって20円札の発行が終了します。縦87mm横152mmといったサイズの乙号券は、表面に菅原鎌足と談山神社三重塔、裏面に談山神社拝殿が描かれたデザインです。
さらに、金額の貳拾圓が縦書きになっているのも特徴でしょう。このことから、タテ書き20円札とも呼ばれています。昭和に発行された20円札は3種類のなかでも希少性の低い貨幣です。しかしながら、高値がつきやすい古銭の1つだといえます。
甲号券
大正時代の日本銀行兌換券として発行された20円札が甲号券です。1917年(大正6年)11月20に日に発行され、1939年(昭和14年)3月31日に廃止となりました。表面に藤原道真、裏面には北野天満宮がデザインされた甲号券は、縦86mm横149mmのサイズで作られた紙幣です。
金額がタテ書きである乙号券に対し、横書きで「貳拾圓」の文字が記されているのが甲号券を見分けるポイントでしょう。横書きが採用されていることから、横書き20円札とも呼ばれています。
甲号券は古銭としての希少性が非常に高いため買取でも人気です。未使用の場合には、満足のいく買取価格が提示されるでしょう。ただし、甲号券の価値をよく知る買取店に相談することが大切です。信頼のおける買取店を選び、甲号券をその価値通りの価格で売却しましょう。